DREAMERS

【後編】「自分探しをするな、自分づくりをせよ」リンクアンドモチベーション 小笹芳央

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 小笹芳央氏。株式会社リンクアンドモチベーショングループの代表取締役会長CEO1961年に大阪で生まれ、早稲田大学を経て新卒でリクルートに入社。人事の責任者として活躍。その後、リンクアンドモチベーションを設立し、現在グループ11社の代表取締役会長として活躍。出版やテレビ出演など多数あり。

 

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“夢があるから今日を生きることができる

 

坂本:小笹会長の夢はどんなものでしょうか?

 

小笹:じつはあんまり常に夢!夢!といって生きてきてないんです。割とゆるーく生きてきた部分があります。夢を明確にもって、日付をいれるということを言われると息苦しいなって思う自分もいます。

 

でも今考えてみれば、これまでこうあればいいな、こうありたいなっていう夢があったからこそ今日を生きられたんじゃないかと思います。「モチベーションをテーマにしたものを、社会に広げるために、企業をつくって、上場してみたい」みたいなことが夢だとすれば、それはもう実現しています。でもそういう夢をもてたからこそ頑張れたし、7年で上場することもできました。

 

それらは実現した瞬間もう夢ではないから次の夢を持つ。今思っているの夢があるならば、「モチベーションエンジニアリングで世界を活性化させたい」っていう壮大な誇大妄想がありますけど、実現するかしないかではなく、それがあるから今日が充実します。

 

そういう意味でも、夢は「今日を生きるため」にすごく大事です。生きてるのは今日、今。今日を輝かせるために夢を食べながら生きる。そんなものだと考えています。

 

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“I Company” の社長になれ

 

坂本:夢があってもうまくいかない、もしくは夢の方向転換をしてしまいがちな人などがいるならば、どういったアドバイスをされているんですか?

 

小笹:「夢はいつも逃げない、逃げるのはいつも自分だけだ」といつも言っています。

 

夢の中身が大事なんじゃないでしょうか。夢が表層的で、「年収があれで、こんな生活して成績がこうなっている」ということではなく、もっとどんな精神的状態でいたいのかを考えるべきです。自分の場合は、達成欲求、支配欲。すごいねっていわれたいとか。自分は若い時からそうでした。

 

路線変更しても根っこの部分が変わっていなければ、夢の変更ではないと思うんです。どのレベルで夢を描き形成するのか、やりかたによっては一概に歩む道が変わったからうんぬんではないです。

 

坂本:例えば、マネジャーの立場からメンバーへそれをうまく伝える方法はありますか?

 

小笹:いつも言ってるのが、「I company であるべき」ということです。自分株式会社の社長として自分自身のビジョンをもって、語る。それを見て、部下に素敵だなと思われる。

 

このようにマネジャー自身がそうなれるかが重要ではないでしょうか。

 

夢をかなえるために信頼を築く

 

坂本:小笹会長は若いころどういった夢をもたれていたのでしょうか?

 

小笹:10代の時はずっとラグビーをやっていました。なので当時はずっとその夢を追っていました。中学から伝統校にいって、「すごいね」と言われるから頑張っていましたが、今振り返るとそんなにラグビーは好きじゃなかったなと。大学でもやらなかったし。

 

その後は外交官になりたい、ツアーコンダクターになりたいなど。リクルートに入ったときも「とりあえず勝ったろー!」程度でした。

 

母親からも「いつも勝ちたい勝ちたいってなにに勝ちたいの?」と聞かれてましたが、自分でもよくわからなかったです(笑)。ぼんやりと「なんか勝ったろう」ぐらいの意識。リクルート時代は何に勝ちたいとかは特になかったですね。その後、30半ばぐらいのときに、「モチベーション」というキーワードに出会い、それを広げたいと思ってきました。

 

坂本:若いころをぼんやりでも夢に向かって挑戦していくことが大事なんですかね。

 

 

小笹:今だから言えるが、夢に向かっていくときに大事なのは、目の前の人との信頼を築くことです。期待を上回るように一生懸命やる。自分に対しても、周囲から信頼があったのではないかと思います。それがあったから、起業時に応援してもらえたんじゃないかと。

 

夢を語るだけでは誇大妄想人間で終わってしまいます。信頼をつくれば必ず応援してくれる人がでてきます。それだけは大事にしてきました。

 

坂本:信頼って言葉は素晴らしい。夢を発するだけでなく、今のを置き換えると、実行して約束しなさいということ。約束を集めることでそれから夢が大きくなるかもしれないし、どこかのタイミングで自分に返ってくるかもしれないということですか?

 

小笹:そうですね。リンクアンドモチベーションの立ち上げ当時、社会的な信頼がゼロだからオフィスを貸してくれない。財務諸表持ってきてと言われました。銀行も一緒です。当時は本当に信頼がないわけなので、とにかく信頼をつくることが必要でした。

 

しかしながら今は信頼がたまってきました。リンクアンドモチベーションの社会的信頼が高まってきました。信頼の集積がたまってきて、夢の選択肢が広がった気がします。

 

坂本:みんながそうやって夢を持てるようになると本当に素晴らしいと思います。今は特に何かをやる物差しが、他人から評価されるという感覚があるように感じます。自分がどうなりたいか、どういう状態でいたいか。大小にかかわらず、実行の先に信頼があつまったり夢が大きくなったりするのではないかと思いました。

 

自分探しをするな、自分づくりをせよ。自分探しをするな、先生探しをせよ

 

小笹:最近、特に思うのが、【自分探しをするな、自分づくりをせよ】【自分探しをするな、師匠探しをせよ】というものです。

 

若い人は自分探しをしがちですが、探しても見つからない、今ここにあるのが自分です。

 

「自分づくり」は没頭する中で何かができてきます。師匠を探し、この人に教わろうという謙虚な姿勢が必要です。その人が誰かではなく、その人から何かを学ぼうかという姿勢が大事です。自分は今でも目上の人と飲んでいます。そういうことが自分自身の成長へつながります。

 

会社でも、直属の上司だけでなく、いろんなひとが師匠になるはずです。「この人の謝り方うまい」、「この人の注意の仕方きもちいいな」「この人のものの依頼の仕方素晴らしいな」とか。たくさんあるはずです。全人格的にこの人から学ぶというようにすると師匠と呼べる人は少ないですが、部分で分ければたくさんいます。たくさんの人から吸収することが大切です。

 

賭けない人生は00

 

小笹:どんなことでも恋愛でも仕事でも「賭ける」ということが大事だと思っています。

 

この人信用しよう、この人に任せよう、この人から教わろうとか。重要なのは、それがその人の過去のすべてを知り尽くしたうえでの判断ではないということです。リンクアンドモチベーションがリッチメディアに出資したのもひとつの賭けといえるでしょう。

 

若い人にとにかく言いたいのは、賭けなければ0勝0敗で終わるということです。たしかに賭けなければ傷つくことはないです。しかしそれでは多くの人と信頼関係を築くことはできない。

 

私自身たくさんかけてきたから、傷ついたり裏切りを経験してきました。しかし賭けていく中で嗅覚が育ってきます。今なら6勝4敗くらいになっています。何も賭けない人生と賭けに勝つ経験をする人生はかなり違います。人生を豊かにする上で、賭けはものすごいキーワードです。

 

ちなみに私の一番大きな賭けは、リンクアンドモチベーションの立ち上げですね。でもリクルートに入ったことも賭けでした。その後リクルート事件があったりなんかして大変でしたが。

 

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苦難があるから今がある

 

坂本:人生で一番大きな壁はどのようなものがありましたか?

 

小笹:31歳の時3つの苦難を経験しました。

 

まずは健康。腰を悪くし、お辞儀もできず寝てるしかない状態になりました。それからその年に親父を亡くしたということ。最後に人事から現場に行き、広告営業の散々な現状を見たということです。

 

腰を悪くしたこともあり、多くの哲学書を読むような時間ができました。そのときの集中的なインプットが今のアウトプットにつながっています。

 

また、親父の死から「人間っていつか死ぬな」ということに気づかされました。だから「充実したい」という気持ちが強くなりました。

 

さらに職場の変化によって、今の原点となるコンサルティングをしようということにつながったんです。今となっては、それらがあるから今があると確実に言えます。苦難があるから、今がある。それがあるからこその人生。そのあとどう立ち上がるかが重要です。いい方向に走ったもん勝ち。そうすると過去が素晴らしいものに変わる気がします。

 

自責的にとらえられる人は飛躍的に成長する

 

坂本:頑張れる人と、行き詰ってしまう人の差は何でしょうか?

 

小笹:「自責的」「他責的」の違いではないでしょうか。

 

なにかあるときに、会社のせいとか上司のせいとかにする。自分を守りたいというのはわかるが、そういう人はいろんなことから学ぶことができません。最高のプレゼンをしたとしてだめでも、お客さんの問題にするか、もっといいプレゼンがなかったかなど自分のこととしてとられるかで成長できるか変わります。

 

成長というのはしばらく成長しているのかわからない状態があります。逆上がりと一緒です。ちょっとずつできていたら気持ち悪い、この成長を経験できた人は、次も頑張れます。学び方を覚えるんです。

 

しかし、そこで他責的にやめてしまうと、自分に向いてないと決め、ほかのところに行く、自分探しに行きます。

 

言葉で文化を創る

 

坂本:リンクアンドモチベーションは言葉を大事にされていると聞きますが、そこについてはどのような考えがあるのでしょうか?

 

小笹:言葉は人間の考え方や行動にすごく影響を与える根源であると気づきました。言葉は大事にするし、言葉を生み出すことにも魅力を感じています。

 

例えば、蝶と蛾。日本語では蝶がきたらかわいい、蛾が来たら「わっ」という。フランスでは、両方「パピオン」で同じなんです。言葉が複雑だと食べ物がおいしいし、ものづくりも細かいというのもあります。日本やフランス中国の南部がそうです。

 

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坂本:言葉づくり暦づくり。歴史も時代もすべて言葉によって形成されている部分も結構あるのかと思っています。言葉づくりで気を付けている部分はありますか?

 

小笹:みんなに届けるっていうことです。

 

One For All All For One の One とAllを表しています。ベタな言葉が入っているということです。ベタな言葉だとみんなでシェアしやすい、且つオリジナルのキーワードが入っているのがいいですね。

 

坂本:それは勝手には流行るんですか?

 

小笹:意図的にトップが発信したり、その言葉について話しあったりして流行らせるケースもあります。

 

坂本:一番流行った言葉は何でしょう?

 

小笹:モチベーションエンジニアリングですね。

 

感情的な部分と工学的な言葉を本来ならば相性が悪いものとくっ付けています。この言葉に響いて会社に入ったという人も多くいるくらいですから。

 

リッチメディアに託す夢

 

小笹:今は、若くして社会を変えるチャンスがあります。

 

昔はリクルートに入るだけでもぼこぼこに言われました。今はもっともっと技術革新のサイクルも早いし、ひとりひとりが活躍する環境があります。

 

社会でのポジショニングをどうとるか考え、事業を高いモチベーションでやれば、規模が大きくなくても社会を変えたり、多くの人のライフスタイルを変えたり、考え方を変えたりすることができるチャンスがある恵まれた社会になっているんではないでしょうか。私自身そこにうらやましさを覚えます。

 

リッチメディアにも多くの人が注目しています。それを逆手にとって、ほらすごいだろってところまで持って行ってほしいです。そうすれば僕らとしてもうれしいです。

 

>>【前編】「モチベーションは本物の優位性になる」リンクアンドモチベーション 小笹芳央 はこちら

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